2017年6月5日月曜日

2017年 南米4ヶ国 ソロ・バイクツーリング レポート (2017 Solo bike touring report for South America)

1.ツーリング期間・走行距離 (Period/ Mileage)   

87日間  11,600 km走行 最大標高4,500 m(ペルー) 
87 days  11,600 km    Max elevation 4,500 m (Peru)
(2017年1月20日成田発 (Tokyo) ~4月16日成田着 (Tokyo) ) 
 
2.訪問国・走行ルート (Visited countries/ Route)
 



4か国訪問。 チリ⇒アルゼンチン⇒ボリビア⇒ペルー⇒チリ
       Chile⇒ Argentina⇒ Bolivia⇒ Peru⇒ Chile

(サンティアゴ、ピチレム、プーコン、プエルトモント(北部パタゴニア)、サンティアゴ、メンドーサ、ブエノスアイレス、コルドバ、サルタ、ウマワカ渓谷、ウユニ塩湖、ラ・パス、コカパバーナ、プーノ、チチカカ湖、クスコ、マチュピチュ、アレキパ、アリカ、アントファガスタ、ラ・セレナ、サンティアゴ)



購入バイク (Purchased bike)

中国製(Made in China)250 ccオフロードバイクMOTAR  XTR250をチリ、サンチャゴで購入、帰国時売却。

ペルー・クスコ手前の標高4,300 mの峠にて

4.ツーリング概要 (Touring summary)
  
(1)バイクの購入・登録・売却 (Buying and selling bike)

バイク購入には、納税者証明書が必要。納税者証明書取得のためには現地人の委任状が必要。納税者証明書取得後、サンティアゴのバイク街リラで、中国製250 ccバイクMOTAR  XTR250を約20万円で購入。旅行後に12万円でスイス人に売却。(詳細は、別途ブログ記事「2017年 南米バイク購入マニュアル」ご参照)(Refer to "Guide to buying a new motorcycle in Chile" in detail)

(2)バイク関連 (About bike)

1)タイヤレバー2本、前後輪アクスルシャフトスパナ他必要最低限の工具を購入。予備部品は、オイルフィルタ、前輪ブレーキパッド、後輪タイヤチューブ、アクセルワイヤ、クラッチワイヤを携行するが使わず。オイルフィルタは再使用可能!?タイプ。オイル交換は1,500 km(実際は3,000 kmで可)ごとに実施。バイク屋で2回交換、他は自分で交換。

2)購入時に耐久性の高い日本製チェーンに交換。予備ガソリン5㍑タンク用鉄製サイドキャリアーを旅の途中プエルトモントのバイク屋で加工、追加した。その後、自分でUSB電源取付。

3)点火プラグコード補修、タンクガソリン漏れゴムパッキンで補修、前輪ブレーキキャリパーのカバー共締めボルト位置改良(設計不良)、ヘッドライトランプ球2回、左後部ウインカーランプ1回交換、リアブレーキマスターシリンダ故障交換修理、マフラーカバー脱落不明、速度計指針折れのため集中メーターパネル交換。

4)高所でも、バイクのキャブレータ無調整で問題なし。しかし、エンスト多発。高度4,500 mで体感的には10%くらいの出力減。

5)不具合はいろいろあるが、エンジンは快調。パンク無し。ガソリンタンク容量10㍑、燃費30 km/㍑。

       チリ・プエルトモントのSURMOTOで大改修                      

ペルー・アレキパのTALLER DE MOTOSでブレーキ修理
                                                                                   
チリ・アントファガスタのBIG TRAIL
SERVICE で、ヘッドランプ交換と各部点検


 3)トラブル、ハプニング等 (Troubles and happenings)

1)旅半ばのアルゼンチン・コルドバの近くで本線と側道の段差で大転倒。バイクが破損、左足ねんざ、左足お皿部やけど傷、両手ひじ擦り傷の軽傷ですんだ。骨折しても不思議ではなかったが、旅を続けられた幸運に感謝。左足やけど傷がふさがるまで1か月以上かかった。携行した抗生物質軟膏で化膿どめ。擦りきれて破れたライダーパンツとシャツはそのまま着用するも、ツーリング終了後廃棄。

2)プエルトモントからアルゼンチン・バリローチェへの国境を通過できず。プエルトモントでバイク公式登録証取得後、サンティアゴまで引き返し、メンドーサ国境を越えアルゼンチン入国。


プエルトモント魚市場横の入江にて


メンドーサへ向けてアンデス山脈を登る


国境を抜けると、大渓谷の絶景が待っていた

3)アルゼンチン・メンドーサからブエノスアイレスまでの間に警察の検問が2回あった。2回とも訳もなくわいろを要求されたが、もちろん気合で乗り切る。アルゼンチンの警察は要注意。ここ以外の国での警察の検問はまったくなかった。

4)ボリビアのビジャソン入国後ウユニ塩湖まで300 km。トゥピサまでの100 kmは舗装路。最後の200kmは雨まじりで、泥水だらけの山岳未舗装路を悪戦苦闘しながら走破。川渡り2回あり。今回の旅程で最大の難所だった。

アルゼンチンのラ・キアカからボリビアへ入る


ウユニの溶接屋で壊れたサイドキャリアーの修理

溶接もできたし、ウユニ名物!?
のリャマの焼肉を食べに行く
5)ボリビア・コカパバーナからペルー国境通過時、税関でメンドーサで購入していたメルコスル(Mercosur)加盟国有効強制保険を見せた。しかし、ペルーはメルコスル未加入なのでペルーの強制保険を購入する必要があるとのこと。そこで、税関の指示で近所にいたタクシーで最寄りの小さな町へ保険購入に走るが、自動車保険はあるが、バイク用保険は売られていなかった。強制保険が無いので入国できない。困った。しばらくすると、最寄りのプーノで強制保険を購入することを条件に特別に通過を許可しようと、税関からの提案。お礼のチップをわたして問題解決。


チチカカ湖湖畔に立つインカの皇帝像


チチカカ湖の葦でできた浮島に暮らす先住民アイマラ族
             
          
6)ペルーのクスコ手前の山岳路を、2日間にわたり閃光と落雷の轟音がひびく雷雨の中、走行。雨宿りできるところもないので、直撃されたら死ぬなあ!?と思いながら走行。
古都クスコに着くと、美人白バイ隊員が待っていた!?
                                  
7)3月中旬頃、ペルーのアレキパ滞在中、ペルーのリマ近郊で大規模な洪水発生。ちょうどリマへ行く計画はなかったので幸運だった。ペルーの3月は雨季の終わりでよく洪水が発生するので要注意。

8)チリ北部のアリカからイキケまで310 kmだが、砂漠地帯のため途中ガソリンスタンドなし。イキケ手前でガス欠。予備ガソリンタンクから給油した。チリ北部砂漠地帯は町がないが、小さな町があってもガソリンスタンドがないところが多いので給油に注意。

チリ北部は海岸線まで砂漠が迫っている


9)
サンティアゴの北約1,000 kmのコピアポからラ・セレナに向って走行中に約130 kmにわたって、ひどい濃霧に遭遇した。100 m先の車のテールランプが見えない。片側2車線で、後続車は追い越し車線を追い抜いてくれたので助かった。このあたりは、道路標識に濃霧注意とある。

(4)その他情報 (Other information)

1)当初予定していたイグアスの滝、パラグアイ(日本人居住区、アスンシオン)、ナスカ地上絵等は行けず。もし行けば全走行距離15,000 kmとなり、あと3週間は必要。

2)バイク公式登録証(Padronと呼ばれる)取得は初期登録後15日後だが、バイク公式登録証はチリのどこの役所でも取れるので、国境近くの街まで移動して取得後出国すればむだがない。初期登録の有効期限は30日なので、バイク公式登録証取得プロセスがチリから南米ツーリングに出かける最大のポイント。バイク売却手続に1週間みると、旅程の内最低3週間はチリ滞在が必要となる。

3)ボリビアへはウマワカ渓谷を経由して入国。標高2,500 mのティルカラで1泊、標高3,000 mのウマウワカで1泊、標高3,500 mのラ・キアカで2泊滞在し完全に高所順応できた。



ウマワカ渓谷ではカーニバルの真っ最中

4)キャンプ用具、自炊道具は一切持たずに、ゲストハウス、民宿、安ホテルに宿泊。共同キッチンがあるところでは、ときどき自炊。

5)現地のスーパーでは、みそ、しょうゆ、インスタントラーメン、カレールー等の日本関連食品はほとんど売られていない。パン、チーズ、ハムの基本食は2か月も続くと飽きてきた。

6)チリでは、地下鉄駅、公園等でも公衆トイレはほとんどない。たまにあれば、すべて有料。ガソリンスタンドも市中心部ではトイレがないところもある。あってもガソリンスタンドのトイレはほとんど有料。アルゼンチンではガソリンスタンドのトイレは無料。南米は極端にトイレが少ないので驚く。
  
7)成田⇔チリ・サンチャゴ空路便は、ブリティッシュ・エアウエイズ(ヒースロー、マドリッド乗り換え)利用。                   

8)体重減4 ㎏(帰国時61 kg)、旅終了後のど風邪1回。下痢、発熱無し。高所では運転中頻繁に睡魔が襲うので居眠り運転注意。A型肝炎、B型肝炎、破傷風、黄熱病接種済。
 
(5)ツーリング詳細記事は、ブログアーカイブ2017年6月 愛媛新聞連載コラム記事「67歳ライダーの南米旅」(全12回)ご参照ください。(My touring report was posted for 12 times at local news paper)


5.南米バイク旅行補足情報 (Tips of bike tour for South america)

(1)旅行の季節 (Seasonality)

日本の気候と反対で、日本の冬が現地の夏である。チリ、アルゼンチンは春夏秋冬があり、11月~3月が夏である。チリ北部は砂漠地帯なので年間通じてほとんど雨が降らない。パタゴニアの南部は12月~2月の夏がベストシーズン。パタゴニアへ行く場合、12月~2月で旅程を組むのが基本。ボリビア、ペルーは乾季と雨季がある。乾季はそれぞれ4月~10月、5月~11月。雨季はそれぞれ、11月~3月、12月~4月であるので、乾季を選ぶ。ブラジルは5月~8月の冬以外が良い。その他の国は、赤道に近づくほど暑くなる。

(2)服装・装備 (Equipment)

ボリビアやペルー山岳部は、標高3,500 m以上なので気温は平地より20℃以上低いため冬装備が必要。
                     
(3)交通ルール (Traffic rule)

右側通行である。交通標識等は日本とほぼ同じか、違っても直感的に理解できるので心配ない。

(4)ガソリン代 (Gasoline)

チリ、アルゼンチン、ボリビア(現地人の2.5倍くらいの外国人価格)、ペルーとも日本と同様価格である。レギュラーガソリン1㍑@110円~140円くらい。現地表示は、オクタン価95。
スペイン語:95(ノベンタ イ シンコ)、現金払い(エフェクティボ)、お願いします(ポルファボール)、ガソリンスタンド(トイレ)はどこですか?(ドンデ エスタ ”ラ ガソリーナ・エスタシオン”(”エル バーニョ”)?)

(5)宿泊先と宿泊費 (Accommodation)

ゲストハウス、オステル、オスタル(ほとんど相部屋で朝食無し、共同トイレ、共同キッチン)@2,000円~3,000円くらい。オスぺダヘ(朝食付き民宿)、ホテル(朝食付き、個室)等。@2,500円~4,000円くらい。ユースホステルはほとんどない。予約不要。駐車場付きの宿は後述のアプリで見つける。
スペイン語:一人ですが、部屋ありますか?(ティエネ ウナ アビタシオン パラ ウナ ペルソナ?)いくらですか?(クワント エス?)

ウマワカ渓谷の宿はどこもカーニバルで満員
                                                             
メンドーサの宿はバイクを部屋まで入れれる
                  
6)飲食費 (Food and beverage expenses)

チリ、アルゼンチン、ペルー、ボリビアの順に物価が下がる。チリの物価は日本の8割くらい。ボリビアはチリの半値くらい。ゲストハウス、オステル、オスタルは共同キッチンがあるので、自炊可能。現地スーパーマーケットには日本食材はない。
                                                                                

チリ・サンティアゴの街角の移動八百屋

チリ・アントファガスタ魚市場の魚屋の看板娘

(7)パソコン、スマホ(アンドロイド)関連 (Related to P/C and smartphone)

1)パソコン・スマホ接続 (connection)

どこの宿も、WIFIがあるのでパソコンやスマホはWIFI接続のみで利用。通信SIMカード不要。

2)iOverlander

車やバイクでのオーバーランダーための必須アプリ。キャンプ場、ゲストハウスやホテルの位置情報、駐車場の有無、WIFIの強弱情報がある。修理時のショップ情報、国境情報や(悪徳)警官の検問情報がある。目的地の位置座標をOsmAndのお気に入りに登録するのが日課。オフラインで動作する。無料。このアプリがあれば、予約サイトのBooking.comやAir B and B等は不要。

3)OsmAnd

オープンストリートマップをベースにしたナビゲーションアプリ。事前に訪問国の地図データをインストールして利用。これがあれば、専用ナビゲーション機器不要。オフラインで動作する。無料。
                                         以 上  

                                                                  

2017年6月4日日曜日

愛媛新聞連載コラム記事「67歳ライダーの南米旅」(全12回)











        



















                                                                           (完)







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