2020年1月25日土曜日

「バイクに乗れなくなるかもしれない危機」を脱出!



1.まえがき
2019年4月から10月末まで約7か月間で頚椎症性神経根症を完治でき、「バイクに乗れなくなるかもしれない危機」を脱出できた。発症から完治までの経緯を公表することで同じ頚椎症のバイカーの方々への情報提供とわずかでも希望を見出すことができて、「バイクを乗れなくなるかもしれない危機」を脱出できればという想いで完治までの顛末をまとめてみた。

I had been cervical spondylosis from April 2019. I had been felt neck and right shoulder pain.That meant crisis that I could not  ride motorcycle anymore.  I had gone in orthopedics firstly and then I had gone to acupuncture and rehabilitation for three months. After that, I had continued daily walking and self-exercise until now. Finally now, I escaped the crisis that might not ride motorcycle. It took seven months until complete recovery of pain.

I recommend you to have acupuncture firstly to remove pain, then daily walking. You can ride again. I hope you are getting well all.

2.症状と経過
1)2019年初め
 今年の初めころから、右足首の前側がピリピリしたような軽い違和感と、右お尻中ほどに同じような軽い違和感があったが、3月にはその違和感が軽い痛みになってきていた。

2)3月
右肩が異常に凝って、夜寝るときに仰向けになると右肩に痛みがありおかしいなと思い始めた。当初は肩の鈍痛だったが、現在は肩から腕全体にかけての痺れるような痛みになってい。さらに腕全体が血行不良みたいで冷たく感じるようなときがあ。首は少し重い感じがあり、後ろにそらすようにすると痛みがあ

うつ伏せになって頭を持ち上げるようにして本を読んだりすると、首が辛いのと肩から腕にかけての痛みが強く出。首を起こすように動かすと頸椎が神経を圧迫して一番痛みが出るようで、バイクの乗車姿勢がこれに該当する。バイクに乗るのはしばらく無理みたいだバイクに乗ると振動で痛みのある箇所に響いて痛く不快だ。

3)4月
近所の形外科初受診し頚椎症と診断される。同時に整形外科に併設されているリハビリテーションでリハビリを受けてきた。電気治療と運動マッサージだ。首のけん引は痛みがあるので止めている。飲み薬は、鎮痛剤のセレコックス錠を処方されたがまったく効かず、途中から神経痛用のノイロトロピン錠に変更したが、痛みが消えたわけではなく効いているかどうかよくわからない。

症状が出てから1か月以上が経過して肩が痛いだけではなく腕が痺れるような症状が出て来た。神経が圧迫されて発生している痛みが原因のようだ

痛みの強さかなり不快なときがあ。寝るときとか首の位置を変えると痛みが出て、夜中に何度か目が覚め。日中もずーっと痛みが自覚出来て、独り言で「」とつぶやいてしまうような不快感がある夜眠れないので、抱き枕が良いと聞きL型とI型を二本買い楽な姿勢を追求しながら寝ている現状。腕をさすってみたり、痛みが出て寝れないときは処方薬の湿布を2枚貼って気を紛らわしている




薬を飲んでもリハビリをしても症状の改善はあまり実感できずこれは時間かるかも、と覚悟している。というわけここ1ヶ月以上運動らしい運動をしていないもうバイクに乗れなくなるかもしれないと思い憂鬱だ。22日右握力33㎏(通常41㎏)と下がっていた。

4)5月

右握力34㎏、左握力43㎏であった。右握力は落ちたまま。左は正常だ。整形外科の処方だけでは治らないと思い、良いものは何でもやってみようとカイロプラクティック整体を受けてみた。整体師と話をしていて分かってきたことだが、孫の抱っこのし過ぎが原因のようにも思えてきた。もうすぐ4歳になる孫の体重は15㎏くらいだ。すくなくともここ2年間右手のみで抱っこして右肩が落ちて巻き込み肩になってきたせいかもしれない。


整形外科のリハビリにも行く。肩内部筋肉の患部以外の肩のハリ、腕のハリは大分取れて楽になってきた。
2回のカイロプラクティックのマッサージによって右肩の患部のひどい凝りがほぐれかけてきた。右腕の痺れも最悪時の20%くらいに軽減されてきた。

これからは、生活習慣を改善し、胸張り猫背解消、前首折れ解消、背骨顔位置歪み改善(仰向きに寝るだけ、また猫背をやめ首を正常位置に持ってくるだけで神経を圧迫せず右肩から手指にかけ痛みと痺れが来ない状態)温泉での温熱、首のストレッチ、強化運動による首回り筋肉強化。整形外科のリハビリ(電気、運動)、整体やカイロプラクティックによる体幹の歪とり。アーモンドの蜂蜜漬けでプロポリスとビタミンEを摂取し血行改善。補足的に整形外科でもらう神経系炎症の痛み止め(ノイロトロピン錠)とする。
 
5)6月
7回目のカイロプラクティックを受ける。次回で終了予定。カイロプラクティックは1回の整体マッサージが30分ほどと短く何回も回数を重ねないといけないので効率が悪い。初めての鍼・マッサージを受ける。右肩に異常な盛り上がり有り。肩甲骨は正常、前部の胸筋肉のハリ、凝りが主な原因とのこと。施術約1時間だ。鍼は保険がきき@3,000円と安い。良い感じなので一週間後の再診を予定した。5月末くらいから処方薬のノイロトロピン錠はもう飲んでいない。右肩痛みの芯は残っているが、少しづつ軽減しつつある。


カイロプラクティックの整体やマッサージは自分でするストレッチやウオーキングで代替できると思い始めた。これからはカイロプラクティックから鍼・マッサージに変更し整形外科のリハビリと併用したい。2回目の鍼・マッサージ受けた。劇的に効き右肩前部のしこりが取れた。

8回目の最後のカイロプラクティックを受ける。歩くことが整体効果になると思って、始めて10km歩く。

6)7月
右肩大分楽になる。が、右肩上部に凝りが集中してまだ肩が重く不快に感じる。3回目の鍼・マッサージを受ける。右肩上部の凝りをほぐしてもらう。利き腕側の大胸筋が固くなって肩部筋肉を前側に引っ張ることにより肩甲骨が前側に引っ張られていて、巻肩状態になっていて左右のバランスが崩れていることを指摘される。そこで、大胸筋伸ばしの対応ストレッチを教えてもらう。

整形外科受診・リハビリーテーション 右握力43㎏ 左握力44㎏。正常値に戻っている。右肩にまだしこりがあるがもうほぼ回復した感じだ。整形外科リハビリも次回で最後としたい。発症・受診から約4か月でほぼ9割方快方に至ったと思う。再発しないように願う。これで、元通りバイクに乗れそうだ。

 ピラティス教室に週1回(3か月単位)通って体幹を鍛え始めた。足指の柔軟運動を併用する。プールで水泳する。

 7月の最終日、整形外科リハビリに行きおかげで良くなったから今日を最終日にしたい旨告げる。リハビリ室の理学療法士の診断では9割方快癒したとのこと。自覚症状として、右肩周囲が重たい感じがして右手がかすかに痺れる感じがするけど間もなく快癒が近いという実感がある。肩から腕にかけて拘縮している細かい神経をマッサージやストレッチで少しずつほぐして機能回復している感じだ。でもこの少しの違和感が完全に解消するにはまだ1ヶ月くらいかかる気がする。ウオーキング距離7月計67km。

7)8月
リハビリのためプールで始めて泳ぐ。しつこい右肩の凝り解消のため盆明けに4回目の鍼・マッサージを受ける。ウオーキングやストレッチや運動を継続してきた成果で肩の違和感も残り5%くらいまで回復した感じだ。これで、「バイクに乗れなくなるかもしれない危機」は脱した、と言える。ウオーキング距離8月計91km。

8) 9月
ウオーキングが日常の習慣のようになってきた。肩の違和感はほぼ無くなり残り1%くらいか。バイクも乗り始めた。ウオーキング距離9月計124km。

9)10月
今では、肩の違和感も全く無くなった。毎日のウオーキングと週一回のティラピス教室へ通う日常となっている。今月のウオーキング距離168km。10kmを2時間で歩けるようになった。時速5kmで歩けるようになったので、完治宣言としたい。4月初めの整形外科受診から完治まで約7か月かかったことになる。

3.診断結果とその特長
整形外科での首部CT画像診断の結果、病名は頚椎症とのこと原因は加齢と姿勢の悪さだという。首の頸椎変形、ズレと椎間板の減少が認められ、神経を圧迫して神経につながる筋肉が炎症を起こしていて痛みが出ているという。首の神経が圧迫されていることより痛みを感じるのが神経痛が、その原因としては重いものとしては頚椎椎間板ヘルニア、軽いものとしては頚椎症性神経根症があるらしい。今回の症状は軽い方のようだ。
医者の診断は頚椎症とおおざっぱだが、頚椎症性神経根症と自分で診断した。
 
その後念のため、日赤でのMRI検査受診。および整形外科で首を上にそらした状態と、下にそらした状態をCT再度撮影。診断結果は、5番頸椎がズレ、6番頸椎が椎間板減少で脊髄を保護している髄液が無い状態で脊髄を圧迫している。頸椎から出ている左右の神経が通る穴(神経根)が左に比べて右の穴の直径が半分程度になっている。右に症状が出やすい。頸椎の前後の変形は特に問題は無くストレートネックでは無い。診断は以前のCT撮影診断時と同様。握力は左49、右37と回復している。

頸椎模型前面(腹面)
頸椎(椎体:白色)7個  
水色は椎間板
頚髄(神経根:黄色)C1~C8 画像ではC7までだが、その下にC8がある

痛みの場所から見ると、C5,C6,C7が原因のようだ

       頸椎模式図前面(腹面)
胸椎(椎体)12個ある内T3まで表示
神経根 T1~T12
痛みの場所から見ると、T1が原因のようだ

野村望氏「頚椎症性神経根症を患う」より引用
       


4.症状のメカニズム
症状のメカニズムは以下のようだ。
神経根を圧迫する→感覚神経を刺激し痛みを感じる→脊髄に痛みが伝達する→脳に痛みが伝達する→交感神経を刺激し血管が収縮→血流が悪くなる→筋肉の酸素・栄養不足→痛みを起こす物質の生成→感覚神経を刺激し痛みを感じる→脊髄に痛みが伝達する→脳に痛みが伝達する→交感神経を刺激し血管が収縮→血流が悪くなる、の悪循環ループに入る。


同時に神経根を圧迫する→運動神経を刺激し筋肉が緊張する→筋肉が異常収縮(拘縮、しこり)する→血流が悪くなる→筋肉の酸素・栄養不足→痛みを起こす物質の生成→感覚神経を刺激し痛みを感じる→脊髄に痛みが伝達する→脳に痛みが伝達する→交感神経を刺激し血管が収縮→血流が悪くなる、の悪循環ループに入る。

5.治療法
痛みやしびれのある筋肉の拘縮が起きると、拘縮した筋肉が炎症を起こしたように何らかの変成をしてしまうのではないかと思っていたが、変成をした筋肉はストレッチやマッサージや鍼で時間をかければ元通りに戻るのを体感した。

1)整形外科

CTやMRIの画像診断で自分の症状を確定するのに有効。残念なことに、人体を臓器パーツの集まりととらえ各パーツをばらばらに診て運動機能の側面からのみとらえる。根本原因である右肩部の凝りや腫れを治す治療はしない。対症療法として痛み止め薬を処方するが効かないし根本対策ではない。患者の痛みは無視してすぐリハビリで機能回復運動を始める。CT画像のみで頚椎症と診断され、凝りがあると訴える肩をまったく見ず身体の全体像をみない。ただし、リハビリの首と腕の運動法は機能回復の観点から有効である。痛みの根本原因である筋肉拘縮による痛みを取る治療は以下優先順位による。


2)末梢性神経障害治療薬の服用
 消炎・鎮痛剤「メチコバール」の服用により痛みを取ることを優先する。整形外科では処方されない可能性があるので、脳神経外科で処方してもらうように病院を使い分ける必要がある。私の場合は「メチコバール」は処方されず服用していないが、まずこれを試すべきと思うに至った。通常は、神経系炎症の痛み止めノイロトロピン錠を処方される。

3)鍼・マッサージ
拘縮している患部に直接鍼を打った後でマッサージを行うので、カイロプラクティックなどのマッサージや自分でするストレッチや運動にくらべて効果は抜群である。全4回治療受ける。カイロプラクティック整体と鍼・マッサージを併用したが、鍼・マッサージだけで良いと思う。施術時間は1時間強で、しかも鍼は保険がきくので格安で効果的である。

4)整形外科のリハビリテーション

首と腕の運動法は筋肉を強化する運動である。機能回復の観点から有効である。リハビリは約20回通院した。


5)カイロプラクティック整体
身体の不具合は、身体のアンバランスが原因でその不具合を整体により治すという観点のマッサージだ。初期の痛みを取る時は有効だが、頚椎症による右肩筋肉の拘縮が原因なので身体のアンバランスを矯正するアプローチは少し違うと思う。整体効果は自分でできるストレッチ、運動、ウオーキングとかで同様効果があることに気づく。約8回治療受ける。施術時間が約30分と短いのが難点だ。

6.疑問点
1)頸椎の椎間板変成による神経圧迫が加齢により誰にでも起こるが、痛みやしびれが頚椎症として発症しない人もいるのはなぜか。

2)頸椎の椎間板変成による神経圧迫の病状が発症する症状と比例せず個人差があるのはなぜか。

3)上記1)、2)が意味することは病状と症状に因果関係がなく、神経圧迫が原因の一つだがすべてではないことになる。従って、一度頚椎症が発症した人でほぼ完治した人の再発可能性も個人差があるのはなぜか。

7.今後の対応
1)肩関節の運動とストレッチ、ストレッチポールとボールを使って自分の体重で肩、腕、首の筋肉をストレッチして良くほぐす。拘縮した筋肉をストレッチポールとボールで自分の体重で良くほぐすのが効果的だ。


2)整形外科リハビリテーション指導による首と右腕のインナーマッスルの筋肉強化を図る。あわせて猫背、巻肩矯正の正しい姿勢維持を心がける。以下、首周囲の筋肉強化運動。


腕の筋肉強化運動は、右腕を手首を立てて床に水平に出して、左右前後上記と同様の運動をして拘縮で弱った右肩や腕のインナーマッスルを強化する。
3)寝るときの枕はタオルを丸く巻いて首にくぼみに挟んで寝て頸椎を延ばす。
4)整体効果は歩くことで同じ効果があるのでできれば隔日5~10km歩く。月100km目標。
5)ピラティスやストレッチ教室に週1回通って体幹を鍛え柔軟性を保つ。さらに足指の柔軟運動を併用する。
6)猫背を防ぎ正しい姿勢を維持するため、パソコン机の椅子を止めてバランスボール(65 cm) を椅子代わりにする。

以上項目を目標としてきたが、ほぼ完治状態となった現在は4)5)6)項目を実施して体調を維持している。歩くことで整体効果・体幹強化・心肺機能強化を強化し、ピラティス教室や自宅でのストレッチや筋力強化で柔軟性を維持するようにしている。


(補足)
私の友人が、2019年11月同じような症状を訴え脳神経外科を受診し頸椎椎間板ヘルニアと診断された。首や肩の痛みを訴えていたが、脳神経外科で「メチコバール」を処方され服用したら痛みが引き症状が改善されたとのこと。この薬の有効成分メコバラミンはビタミンB12の部類で、しびれや痛みをともなう末梢性神経障害の治療に広く用いられるらしい。

私が受診した痛みに無関心な整形外科では消炎・鎮痛剤の「セレコックス」は処方されたがまったく効かなかったし、鎮痛に対するアプローチが「セレコックス」と「メチコバール」ではまったく違うものと推定される。整形外科の処方薬のレパートリーに無いのか「メチコバール」は処方されなかった。効いたか効いていないか良く分からない痛み止め処方薬のノイロトロピン錠を服用する時機に飲めば効果があった可能性が高い。痛み止め処方薬として「メチコバール」の服用は有力な選択肢と思われる。

一方、頚椎症治療薬として漢方薬のアプローチもある。最低3か月間の服用が基本単位とのことだが、結局患部の血行を良くする体質改善的なアプローチと思われるので、ウオーキングにより代替できると思われ不要と考えられる。

これまで、バイクに乗り続ける体力づくりはストレッチや主に腹筋や背筋や腕立て伏せによる筋力強化を続けてきたが、ウオーキングこそが最強の体力強化法と思い至った。

2019年12月
                                       以 上

引用及び参考文献
野村望氏「頚椎症性神経根症を患う」



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