2023年4月15日土曜日

台湾バイク一周マニュアル

 コロナ禍で海外バイク旅行から遠ざかっていたが、コロナも下火になってきた20233月に、近場の台湾に目をつけて台湾一周をしてきた。台湾は九州よりやや狭く、一周は約1,200㎞くらいなので、観光もしながらゆっくり回って90/ × 14 = 1,260㎞となるため、2週間を予定した。航空便は台北発着なので、台北滞在を往復1週間、計3週間と計画した。

1.バイク関連

1)交通違反問題

これが一番の難関。台湾はスクーターが主流であり、普通のオートバイは少数派。バイクレンタル業者は安価なスクーターがメインで、高価なオートバイのレンタルは少ない。さらに外国人へのレンタルが可能なレンタル業者も限られる。なぜなら、台湾の交通違反の取り締まりは日本のように検問などはなく、スピード違反のレーダー方式が主流であり、ナンバーを読み取りその登録業者に後日請求が行く仕組みになっているためである。業者に請求が届く頃にはライダーは帰国していて、業者が損害を被ってしまう可能性がある。これを補償するため、業者によっては30万円程度の前払い金を支払い、レンタル終了後に清算する方式がとられている。しかし、30万円の前払い金を支払うのも嫌だ。

この問題を解決するために、私は台湾の京都と言われる台南に住む日本人コーディネータの大洞敦史(後述)さんとSNSを通じてコンタクトした。大洞氏には、台南のレンタル業者の選定、台南の民宿予約と、台南半日観光ガイドを依頼した。そして、もし交通違反の罰金が来た場合には、「大洞氏がレンタル業者に立て替え払いし、私が大洞氏の日本の銀行口座に手数料を追加して振り込む」という方法で解決することになった。これにより、交通違反の問題を回避することができ、レンタル業者との問題を解決することができた。

2)レンタル業者

騎士派(発音:チーシーパイ)台南店 台南市北門路二段49號 TEL06-2234588

台南で外国人レンタル可能なところはここだけとのこと。台鐵台南駅から徒歩3分くらい。なお、花蓮店もある。

日本の自賠責と同等な保険がついている。車検証はレンタル業者が保管。渡される書類は、レンタル契約書のみ。

3)レンタルスクーター

SYM(台湾メーカー)JETS Champion ship 125㏄ 

もっと大きいスクーターもあるがレンタル費が高くなるのでコスパ重視で台湾一周には125㏄で十分と思い安いこれを選んだ。レンタルしたらすぐ給油し、満タン返し不要。ヘルメットレンタルは無料。ジェットヘルメットのシールドが傷ついて視界が悪いのが多いので新品のシールド交換を希望すれば無料で交換してくれる。USB充電ポートとがっちりしたスマホホルダーがすべての車両に付いているのでスマホと充電ケーブル1本持参すれば良い。                

シート下に20Lくらいの荷室がある。シート後部のハンドレールを利用してツーリングバッグ40Lをロープで固定できるので積載量も十分確保できる。足下には、荷掛けフックがあるので小型リュックを吊るして食料品調達用として使った。

クラッチが無くアクセルだけのスクーターツーリングは初めてなので、つい左足がクラッチレバーをエアーチェンジしている(^0^;

足下に小型リュック、シート後部にバッグ積載

騎士派 台南店から出発
4)レンタル費用
15日間で、10,500元(4.8/元換算で約5万円)前払い。

2.台湾一周のテーマ

台湾ローカルシーフードグルメ探訪 (詳細は、別紙ご参照)

3.周遊コース

ローカルシーフードグルメ探訪のため、漁港や魚市場巡りを中心にプチ観光も盛り込む。

台南から反時計回りで―高雄―東港―台東―成功漁港―花蓮―太魯閣渓谷―南方澳(ナンファンアオ)―磯渓温泉―基隆―新竹―埔`(ベイプー)ー台中―鹿港―嘉義(布袋(ブーダイ))―台南

    

 
4.台湾点描                

              何十年ぶりかの台北を歩く!
                       

スクーター軍団に占拠された台北の交差点

 (後ろからライダーがすり抜けるように追い越していくので、

追突されないためにはキープライン&キープスピード!)


太魯閣渓谷

花蓮近くの海岸(台湾東側は絶景の断崖絶壁が続く)

基隆駅前のアート

台中へ向かう途中の客家人の老街「埔」

布袋のハイヒールオブジェ

5.ツーリングトピックス

台湾は右側通行。右側通行なので都市部ではバイクの左折が危険なため2段階左折ルールあり。2段階左折とは、左折したいときには青信号で右側道路の停止線の前に左折用停止線があるので、そこで停止し、次の青信号まで待つという仕組み。

道路事情や治安は良好でツーリングに不安無し。コンビニはセブンイレブンとファミリーマートがどこにでもあり日本と変わらない風景。郊外ではトイレマークのあるコンビニを利用。

 南方澳でオイル警告灯が点灯、日曜日なのでバイク屋が見当たらない。巡回中の警官を呼び止め事情を話してバイク屋を探してもらいオイル交換及びギアオイルを交換した。約1,700円。基隆でスピード違反1回罰金約7,000円。一周中警察の検問や尋問は全く無かった。

 マイレージ1,300㎞、給油28L、燃費46/Lだった。

  

              南方澳のバイク屋でオイル交換                      

警察から「騎士派」に送られて来たスピード違反請求書

(打合せどおり!?大洞氏がバイク屋に罰金を立替え払いし、

後日私が大洞氏の日本の銀行口座に振り込み解決!)

               同上スピード違反証拠写真


6.事前準備

1)台湾運転可能免許証取得

台湾は国際免許証が通用しない。日本免許証の台湾語翻訳書が台湾の運転免許書になるので、JAFで申請し取得する。約4,000円。

 

2)中華電信SIMカードWEB予約

1か月有効でデータ無制限、台湾電話番号通話付を予約購入する。約5,000円。空港内中華電信ショップで現金払い。旅行中ナビはスマホのSIMカード通信でGoogle mapを利用。

 

3)高鐵(台湾新幹線)WEB割引予約 台北―台南

台南出発となったので台北から台南まで移動する。片道約5.000円カード支払い。駅の窓口で切符をもらう。

 

4)台湾ホテルはBooking.comで予約

現金払いのホテルを選んで予約。台北は往き返りとも台北駅近くの同じホテルを取った。旅行中の宿は前日に予約して移動。宿を品定めするのに結構時間を費やす。11,000元までの予算で予約。

https://www.booking.com/hotel/tw/light-shadow.ja.html


     嘉義市布袋魚市場近くのホスピタリティが素晴らしい光影民宿

7.台湾到着後にすること

1)空港内のコンビニで悠々カードを購入しチャージする。市内移動のMRT地下鉄で利用。

2)空港内銀行で両替できる。SMBC信託銀行キャッシュカードでのキャッシングは市内のセブンイレブンの銀行ATMで可能。

 

8.日本人コーディネータ大洞敦史氏紹介

台湾でのレンタルバイクには、交通違反問題があるので日本から直接交渉するのが難しい。台湾情報収集中に氏の著書『台湾環島 南風のスケッチ』を読んだ。氏にSNSでコンタクトしレンタルバイクの仲介を依頼し快諾を得て、氏在住の台南スタートとなった。氏は翻訳家かつガイドも兼ねている。さらにそば職人であり沖縄三線奏者という多彩な顔を持つ。

氏の多彩なネットワークのおかげで、民宿の紹介や、台湾一の新聞「自由時報」の記者が氏の友人という縁で取材を受け「自由時報」に台湾一周記事が掲載された。

そして同日、偶然にも愛媛県紹介ガイド本の台湾人著者が氏の友人という縁で、著者が主催する台南市でのガイド本紹介イベントに愛媛県在住の私が飛び入り参加することとなった。
台南では多様な交流が生まれ楽しい経験になり、忘れられない想い出となった。
                

台湾一周を終え、大洞敦史夫妻と客家料理で乾杯


 台南市の民宿 黎媽的家(リーマダジア)

民宿のオーナーであり音楽家、台湾茶師でもある黎瑞菊

偶然にも、台南市内の書店で「愛媛県観光紹介」のイベントに飛び入り参加

ガイドブックの著者ASKA氏とイベント参加者とともに












 13年間に35か国を旅した日本人不老騎士、コロナ後初の旅は台湾環島(一周)」

 『自由時報』2023319日 劉婉君執筆

 

今年で74歳になる日本人「不老騎士」若田珠昭さん。59歳の時に大型バイクの免許を取得し、過去13年間に35か国を訪れ、バイクで旅しながら各国の風土を見聞してきた。今年初め台湾在住日本人・大洞敦史さんの著作『台湾環島 南風のスケッチ』を読んで台湾一周の旅を計画。14日間の旅程を経て、本日(19日)ゴールの台南市に無事到着した。

旅を愛する若田さん。「若い頃は仕事に打ち込んでいて、やりたい事がなかなかできずにいた。リアイア後にバイクの免許を取ったのは、機動性が高く便利な乗り物だと思ったから」。これまでにアメリカ大陸、ヨーロッパ、中央アジアなどの国を走り、台湾は36か国目にあたる。コロナ以後初めて訪れた国でもある。

 大洞さんにはフェイスブックを通じて連絡を取り、レンタルバイクや民宿の手配をしてもらった。2週間前に台南から出発し、主に台湾各地の漁港、魚市場、伝統的な市場を見て回り、花蓮のタロコ渓谷、宜蘭の礁渓温泉、嘉義の故宮南院なども訪ねた。日本では見られない魚がたくさん見られたことに、特に興味を引かれた。

 「最後まで順調に旅する事ができました。台湾はバイクの旅にぴったりだと思います。日本から近く、治安もよく、漢字を使ってコミュニケーションも取れます。西洋に比べれば物価も安く、人々も親切で暖かい。ただ日本とは意味の異なる漢字もあるので、そこは注意が必要ですが。また、私はゆっくり走行する方なのですが、猛スピードですぐ横を追い抜いていく若いライダーもいたりするので、左右に移動する際は気をつけていました。この点を除けば、台湾の交通にはもうだいぶ慣れました」

各国をバイクで旅する間に多くの友人ができた。今回も同様だ。「将来、また台湾を一周するつもりです」。次回は自ら魚を調理し、民宿の人たちに振る舞ったりしてみたいと言う。「コロナが落ち着いて、バイクで海外を旅する日本人も増えてきています。今回の旅の経験をブログで発信し、同好の士たちの参考に供したいと思っています」

 「私はこれまで、世界各地を旅する間、何か困った事が起きるたびに地元の方々が手を貸してくれて、とても暖かい気持ちになりました。それで私も、日本に来られた外国の方々が同じような思いを抱いてくれたらいいなと思って、サポートをしたりもしています」    

                                   (訳 大洞敦史氏)

9.バイク旅の台湾語

1)ガソリン満タン、オクタン価95です。

→加満、九十五(発音:ジャーマン、ジョウー)

2)エンジンオイル交換して。

→換機油(発音:ホワンジーヨウ)

3)台湾一周中です。

→現在、我騎摩托車環島(発音:シェンザイ、ウオーチーモウトウチョーファンダオ)

4)おはようございます。

早安(発音:ゾーアン)

5)すみません。

→不好意志(発音:プーハオイースー)

6)お店で食べます、お持ち帰りです。

→内用(発音;ネイヨウ)、外帯(ワイタイ)または、

→現吃(発音:シェンチー)、帯走(タイゾー)

以上中国語ピンイン省略無視。日本語より大げさに抑揚付けて発声するのがコツ。

                                     以上

















                    












2022年10月21日金曜日

写真家ハナン・シャフィルが巡る「2022年の奥の細道」モーターサイクルツアー画像集

さあ出発!

 

日光・東照宮にて


初めての足湯(日光・湯西川温泉)


念願の松島に来れたので「もう今帰っても良い」!?
というハナン氏(松島・雄島)



震災復興を祈念した伝承館が至る所にある(東松島市)

                     
                     
芭蕉と曾良の立像を撮影(石巻・日和山公園)


句碑「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」の前にて(毛越寺)


中尊寺本殿前


正座もあぐらも出来ません(鳴子温泉)


山形へ至る出羽街道の関所 尿前の関跡(宮城県大崎市)


奥の細道の難所 なたぎり峠を行く(山形県尾花沢市)



「しずけさや岩にしみ入る蝉の声」で有名な
立石寺(通称:山寺)(山形市)


奥の院まで1015段の石段を登る


山形新聞の取材を受ける(山寺芭蕉記念館)


出羽三山・羽黒山山頂の芭蕉像(山形県鶴岡市)


本合海で芭蕉と曾良と並ぶ(山形県新庄市)


新潟日報の取材を受ける(新潟県出雲崎市)


芭蕉はサンダルに裸足!?(出雲崎・芭蕉園)


市振の「桔梗屋前」バス停(新潟県糸魚川市)


人気のない市振関所跡


全昌寺の芭蕉と曾良の句碑の前にて(石川県加賀市)


大垣へ無事到着!


義仲寺で芭蕉の墓参りを終え
「2022年の奥の細道」ツアー終了(大津市)


山形新聞に記事掲載(10月7日)

                                    以上




































写真家ハナン・シャフィルが巡る「2022年の奥の細道」モーターサイクルツアー/事業報告書


イスラエル人写真家ハナン・シャフィルさんと9月26日から10月10日まで15日間奥の細道をバイクで辿りました。旅の記録を報告書にまとめましたので、ご覧ください。