1.目的
旅のテーマは、「2024年韓国ローカルシーフードグルメ探訪」(←ここをクリックするとPDFが開く)とし、漁港や魚市場を訪れ、魚介類の種類や価格、調理法等、日本と台湾(2023年調査済:台湾ローカルシーフードグルメ探訪ご参照)との類似点、相違点を観察・調査し比較研究することを目的とした。
2.日程・ツーリングルート・天候
2024年5月12日~5月27日
ソウルを避け、釜山から左回り→ 浦項ポハン1泊→ 蔚珍ウルジン1泊→ 江陵ガンヌン1泊→ 束草ソクチョ2泊→ 忠州チュンジュ1泊→ 大田テジョン1泊→ 光州グワンジュ1泊→ 木浦モッポ1泊→ 麗水ヨス2泊→ 統営トンヨン1泊 →釜山1泊
13泊 フェリー泊2泊 計15泊16日
走行距離1,600㎞
江陵は小雨、内陸部の忠州、大田あたりは曇り、それ以外は晴れで天候に恵まれた。気温10℃~24℃
釜山から訪問地赤ピンを左回り |
3.費用(1W=0.12円で計算 2024年5月13日)
1)国際フェリーバイク輸送費
(1)国際フェリー往復バイク運賃(ライダー2等室込み)50,920円
(内訳:行きバイク@24,000円+燃油サーチャージ1,300円+観光旅客税1,000円+港湾使用料620円+帰りバイク@24,000円)
通関手数料6,000円 小計56,920円
(2)釜山到着時15日間バイク強制保険145,000W17,400円、関税保証手数料160,000W19,200円 小計36,600円
(3)帰国時釜山港港湾施設使用料7,000W840円、燃油サーチャージ13,000W1,560円 小計2,400円
以上合計95,920円
2)ホテル
ゲストハウスより駐車場のあるモーテルが良い。飛び込みだと@50,000Wくらいの規定表示料金になる。ホテル予約サイトAgodaで駐車場有に指定して検索し予約する方が安い。リピーター割引もあるのでバストイレ付@3,000円~4,500円で探せる。ただし、支払いはカード決済になる。平均@4,000円とすると、内フェリー2泊なので
13泊×@4,000円=52,000円
3)食費
アルコール付き夕食@3,000円、朝食@1,000円 昼食無しで設定。1日@4,000円予算で、
15日×@4,000円=60,000円
4)ガソリン代
一般ガソリン@約1700/L 約200円/Lで計算。燃費20㎞/Lとする。韓国一周(ソウル除外)約1,600㎞
80L×@200円=16,000円
5)予備費(観光、バス、電車代他)
26,080円
以上、15泊16日韓国ツーリングモデルケースの総費用は、
95,920円+52,000円+60,000円+16,000円+26,080円=250,000円
4.事前準備
1)関釜フェリー(←クリックするとHPへ)に電話して、往復の日程を仮予約する。下記写真3点と必要書類をメイル添付で送付する。関釜フェリーと韓国税関と調整後、渡航可能となれば予約が確定する。
1)バイク荷姿写真3点
①荷物を実装したバイク側面写真、②荷物を実装したバイク後面写真、③荷物を外した状態での後面写真
2)渡航必要書類スキャンデータ
①車検証(電子車検証の場合は記録事項証明書添付)
②登録証書(発行後3か月以内)
③パスポート
④国際運転免許証
⑤自動車運転免許証表、裏
⑥韓国内住所、電話番号(釜山の宿泊ホテルをメイルに記載)
⑦車両航送申込書(←このHPからダウンロード)
5.乗船手続き(5月12日)
1)下関の関釜フェリー乗り場に近づくとセキュリティ係員にバイクの停止位置を指示される。バイクを置き2階の窓口へ。
今日のバイク乗船は、レブル250乗りの韓国人ライダーと私の2台のみ。
2)乗船申請書(関釜フェリーのHPからダウンロード)と渡航必要書類原本を窓口に提出、料金を支払い乗船券を受け取る。15:30まで窓口付近で待機するように言われる。
受付時間15:00~15:30だが、実際は3時前に窓口が開いていた。
3)15:30になると係員が現れ、2階のバイク出国検査場所への移動を指示される。1階入り口でパスポートを提示しバイクを駐車し、必要品を持ち徒歩で2階の待合室まで帰り出国審査開始時間18:10まで待機。
4)18:00になると車両輸送者は優先されて出国審査を通り、税関係員と一緒に検査場所へ移動、簡単な質問のみで税関検査終了。輸出欄に押印された自動車一時輸出入申告書の控えを受け取る。関釜フェリー係員の乗る乗用車に誘導されてバイクに乗りフェリーに入る。バイクはフェリー係員が固定してくれるので、手荷物品を持ち指定の船室へ。保険担当者宛てと韓国税関宛ての誓約書2通を渡されるので記入する。
6.韓国入国手続き(5月13日)
1)車両輸送者はパスポート、アライバルカード、誓約書2通を持ち船内受付前に7:45に集合。指示されて受付横のドアから中に入り、受付事務室に来ている税関係員に口頭で入国申告。
2)手荷物を持ってバイク固定場所へ行き出発準備。トラックが出た後にバイクが出る。順路に沿って進むと岸壁に居る税関係員に誘導されて、税関検査所へ。バイクに装着している荷物やキャリーボックスを外してX線検査を受ける。バイクはX線検査所前に置いたままにする。
3)関釜フェリーの係員が現れ、入国審査を受ける。
4)イミグレーションを出ると、フェリー係員が現われ釜山港国際旅客ターミナル内の銀行で両替。両替が終わると係員に誘導されて保険事務所へ移動。ここで、強制保険と関税保証手数料計305,000Wを支払う。強制保険証書(事故時無料牽引10㎞と緊急時電話番号が記載)、警察関係書類(イエローカード)を渡される。同時に、個人情報関係書類2通にサイン。
これで、バイク入国必要手続きは完了した。
5)ここで、自分のバイクは入国前のX線検査所に置いている。そこで、ゲートの警察詰所に行きパスポートと引き換えにもらった臨時入出国カードを首にかけ、警察詰所から出てX線検査所前のバイクをゲート(北側1か所のみ)から出て韓国へ入国させ駐車させる。折り返し警察詰所で臨時入出国カードと引き換えにパスポートを受け取る。以上で、バイクとライダーが入国完了。
6)帰国時は、14:30にバイクをこのゲート前路上に駐車させ、乗船手続きを行うようにと説明がある。
ゲートを出て韓国へ上陸 |
7.ツーリングTIPS・トラブル
1)電源プラグはSEとCを用意。韓国はIT大国でもある。渡航前にAmazonで15日間有効10GB定額
データSIM(SK telecom)を購入しておき、韓国でSIMを差替える。ナビゲーションはNAVERアプリ、ホテル予約はBooking.comより東南アジアに強いAgodaアプリ。韓国語会話翻訳はPapagoアプリ、ハングル解読はGoogleレンズ。タクシー呼びたいときはKakaoTアプリ、天気予報はGoogle検索。コンビニでT-moneyカードを購入チャージし、バスや地下鉄で利用。これで無敵。
2)右側通行、赤信号で右折可、信号機のないランナバウトも多い。高速道路走行不可。
3)Google mapは使えるが、国防上の理由でナビゲーション機能が使えない。韓国ではナビはNAVERアプリが主流。アプリの設定で「二輪車」に設定する。実際に使ってみたが分岐車線の誘導の仕方、制限時速の警告表示など非常に優れたナビゲーションで素晴らしい。バスや地下鉄利用時もすごく便利。ただし、一度高速道路に誘導されて困った。忠州への道中、山岳部なのでSIMカードの電波が途切れてNAVERのナビが使えないので、渡航前に韓国地図をダウンロードしているMAPS.MEアプリに切り替える。途中無料Motor way進入を指示される。信号左折停止時にバイクは不可と隣の車のドライバーに呼びかけられるが、そのまま進入してみるもやはり怪しいので1区間だけですぐ降りる。
4)光州に向けてナビのNAVERアプリをセットして大田の市街地を抜け、アプリの誘導されるままに向かうと何と見るからに高速道路のゲート入口に来た。韓国では2輪車は高速道路走行不可。慌てて停車して、事務所の係員を見つけ顛末を話す。居合わせたパトカーも巻込みポリスに誘導されて一般道へ降りる。NAVERの設定を2輪車にしているのだが、ナビが誤って高速道路進入指示を出していたのが原因。完全にナビの不具合だ。電源を入り切りして何とか再設定出来た。
5)国道が自動車専用道路みたいに良く整備されている、信号、道路標識、一般道から自動車道路の出入り口の設計や、道路にペイントされた誘導標識がピンクや緑色で区別されて施工され、非常に分かりやすく素晴らしく快適。高速道路を走る必要は無い。市街部では、車線も多く韓国は車社会であることを実感。
6)韓国ではコンビニにトイレは無い、ガソリンスタンドを利用。ガソリンスタンドはほとんどセルフ式。お釣りが出ないことが多いので、燃費から給油量を計算して係員に満タン相当金額を渡してタッチパネル操作をお願いして、自分で給油する。
7)韓国の車は国道でも大体120~130㎞/Hで飛ばしていてすぐ追越しをかけてくる。追越し車線は左側なので右側車線を80~90㎞/Hで走った。
8)ツーリング中、台湾と同様に韓国警察による検問やチェックは全く無かった。
9)日本船籍と韓国船籍のフェリーが交互に運航されている。売店、レストランは日本船内は円、韓国船内はWONで支払う。
8.韓国出国手続き(5月26日)
1)14:30までに指示されたゲート前の路上に駐車し、乗船手続きに向かう。ちなみにどのフェリーを選んでもここに駐車させる。ここの座標データは、「35.11880,129.05003」だが、NAVERはなぜか座標を認識しないので「東区草梁洞1273」と入力すれば表示される。
14:30までにゲートのここに駐車させる |
今日の乗船は、韓国人3人組親子の大型キャンピングカー1台と、私の2台のみ。
駐車位置右手の倉庫のような建物の中の金網の扉を抜け、駐車場を通り中ほどの入り口から2階の窓口に向かう。バイク手続き時間は14:30~15:00だが、13時半ごろ早めに開いていた。受付終了後15:30まで窓口前で待機するように指示される。
2)復路乗船券、パスポート、強制保険証書を見せ港湾施設使用料7,000W、燃油サーチャージ13,000Wを支払う。
3)15:30になると、関釜フェリー係員が現れゲート前に移動。ここで、警察書類のイエローカードを返却。まだ出国していないので仮出国のため警察詰所に行きパスポートと引き換えに臨時入出国カードをもらい首にかけ、先導車に誘導されてフェリー近くの岸壁の停車位置まで誘導されて駐車させる。係員の車に同乗し警察詰所へ行きパスポートを受け取る。
4)17:30から出国審査が開始され、待合室で暫く待たされて18:20から乗船開始。指定船室に行き待機。19時過ぎに船内放送で車両輸送者は受付前に集合とのアナウンス。係員に誘導され車両甲板から岸壁に出て、バイク駐車位置まで行きバイクでフェリーに乗り込む。
5)手荷物を持ち船室へ。バイクは係員が固定してくれる。
9.帰国手続き(5月27日)
1)船内にある税関申告書に記入して準備。7時半に受付前に集合し、係員に誘導され岸壁の駐車指定位置へ移動し駐車。
帰国前フェリー岸壁に一時待機 |
2)係員に誘導され、入国審査へ続いて税関職員が現れバイクの駐車位置へ移動し税関申告書を渡し簡単な質問で税関検査終了。
3)輸出、輸入欄に押印された自動車一時輸出入申告書を通関業者が駐車場所へ持参するので受け取る。
4)関釜フェリー係員に出口まで誘導されて、下関上陸完了。
自動車一時輸出入申告書 |
10.韓国雑感
1)トイレの紙が流せる、公共トイレの集金人がいない、ゼロ。下水設備等インフラが充実したと思われる。
2)関釜フェリーでは、30年前韓国人行商人のおばさんに手荷物を持ち込んでくれと言われて困ったことがあるが、今はゼロ。
3)釜山港国際旅客ターミナルが立派な建物になり再建されている(9年前)。1階は駐車場、フェリー窓口は2階。レストラン、コンビニ、トイレ、スマホ充電ステーションもあり便利。
4)経済成長に合わせて国あげてグルメ志向。テレビ番組もグルメ番組が多い。
5)街なかの公園や道路は、シルバーボランティアや清掃員が清掃していてゴミが無い、街がきれい。日本みたい。
6)経済成長に合わせて所得水準も上がり物価が高い。飲食店での焼酎、マッコリ、ビールは以前は3,000~4,000Wであったが、ほとんどの店で5,000Wになっている。
7)地方都市でもマンションやオフィスなどタワーマンション的な高層建築物が多い。
8)韓国人ライダーに時々出会う。旅ライダーは、ハーレーかBMWのGSが多い。その他ネイキッドバイクが少し。すれ違いざまに手を振り挨拶を交わすのは日本と同じ。30年前の韓国はバイクとは荷役の役目の意味でしかなかったが、ライダーが結構多くなったのはやはり、経済成長のせいか。
9)ドライブイン的なものはあるがライダーが休憩するような日本の道の駅的なものは無く韓国人ライダーと接触する機会はほとんど無い。
10)関釜フェリー行き帰りで出会う韓国人ライダーは日本ツーリングを行うコアなライダーであるので、韓国人ライダーと友達になるのはフェリーでの出会いがベストな機会かも知れない。韓国入国時の李さんはレブル250ライダー、帰国時に出会った3人組キャンピングカーの金さんはボンネビルライダーでもあり友達になった。
11)昔からの侵略の歴史や、反日教育のせいで対抗意識があるせいか、儒教精神のせいか、一般の韓国人は素っ気ない人が多いように感じる。台湾の親日的なフランクな態度と微妙に違う気がする。 以上