コロナ禍で海外バイク旅行から遠ざかっていたが、コロナも下火になってきた2023年3月に、近場の台湾に目をつけて台湾一周をしてきた。台湾は九州よりやや狭く、一周は約1,200㎞くらいなので、観光もしながらゆっくり回って90㎞/日 × 14日 = 1,260㎞となるため、2週間を予定した。航空便は台北発着なので、台北滞在を往復1週間、計3週間と計画した。
1.バイク関連
1)交通違反問題
これが一番の難関。台湾はスクーターが主流であり、普通のオートバイは少数派。バイクレンタル業者は安価なスクーターがメインで、高価なオートバイのレンタルは少ない。さらに外国人へのレンタルが可能なレンタル業者も限られる。なぜなら、台湾の交通違反の取り締まりは日本のように検問などはなく、スピード違反のレーダー方式が主流であり、ナンバーを読み取りその登録業者に後日請求が行く仕組みになっているためである。業者に請求が届く頃にはライダーは帰国していて、業者が損害を被ってしまう可能性がある。これを補償するため、業者によっては30万円程度の前払い金を支払い、レンタル終了後に清算する方式がとられている。しかし、30万円の前払い金を支払うのも嫌だ。
この問題を解決するために、私は台湾の京都と言われる台南に住む日本人コーディネータの大洞敦史(後述)さんとSNSを通じてコンタクトした。大洞氏には、台南のレンタル業者の選定、台南の民宿予約と、台南半日観光ガイドを依頼した。そして、もし交通違反の罰金が来た場合には、「大洞氏がレンタル業者に立て替え払いし、私が大洞氏の日本の銀行口座に手数料を追加して振り込む」という方法で解決することになった。これにより、交通違反の問題を回避することができ、レンタル業者との問題を解決することができた。
2)レンタル業者
騎士派(発音:チーシーパイ)台南店 台南市北門路二段49號 TEL06-2234588
台南で外国人レンタル可能なところはここだけとのこと。台鐵台南駅から徒歩3分くらい。なお、花蓮店もある。
日本の自賠責と同等な保険がついている。車検証はレンタル業者が保管。渡される書類は、レンタル契約書のみ。
3)レンタルスクーター
SYM(台湾メーカー)JETS Champion ship 125㏄
もっと大きいスクーターもあるがレンタル費が高くなるのでコスパ重視で台湾一周には125㏄で十分と思い安いこれを選んだ。レンタルしたらすぐ給油し、満タン返し不要。ヘルメットレンタルは無料。ジェットヘルメットのシールドが傷ついて視界が悪いのが多いので新品のシールド交換を希望すれば無料で交換してくれる。USB充電ポートとがっちりしたスマホホルダーがすべての車両に付いているのでスマホと充電ケーブル1本持参すれば良い。
シート下に20Lくらいの荷室がある。シート後部のハンドレールを利用してツーリングバッグ40Lをロープで固定できるので積載量も十分確保できる。足下には、荷掛けフックがあるので小型リュックを吊るして食料品調達用として使った。
クラッチが無くアクセルだけのスクーターツーリングは初めてなので、つい左足がクラッチレバーをエアーチェンジしている(^0^;
2.台湾一周のテーマ
台湾ローカルシーフードグルメ探訪(←ここをクリックするとPDFが開く)
3.周遊コース
ローカルシーフードグルメ探訪のため、漁港や魚市場巡りを中心にプチ観光も盛り込む。
台南から反時計回りで―高雄―東港―台東―成功漁港―花蓮―太魯閣渓谷―南方澳(ナンファンアオ)―磯渓温泉―基隆―新竹―北埔`(ベイプー)ー台中―鹿港―嘉義(布袋(ブーダイ))―台南
何十年ぶりかの台北を歩く!
スクーター軍団に占拠された台北の交差点
(後ろからライダーがすり抜けるように追い越していくので、
追突されないためにはキープライン&キープスピード!)
5.ツーリングトピックス
台湾は右側通行。右側通行なので都市部ではバイクの左折が危険なため2段階左折ルールあり。2段階左折とは、左折したいときには青信号で右側道路の停止線の前に左折用停止線があるので、そこで停止し、次の青信号まで待つという仕組み。
道路事情や治安は良好でツーリングに不安無し。コンビニはセブンイレブンとファミリーマートがどこにでもあり日本と変わらない風景。郊外ではトイレマークのあるコンビニを利用。
南方澳でオイル警告灯が点灯、日曜日なのでバイク屋が見当たらない。巡回中の警官を呼び止め事情を話してバイク屋を探してもらいオイル交換及びギアオイルを交換した。約1,700円。基隆でスピード違反1回罰金約7,000円。一周中警察の検問や尋問は全く無かった。
マイレージ1,300㎞、給油28L、燃費46㎞/Lだった。
南方澳のバイク屋でオイル交換
同上スピード違反証拠写真
6.事前準備
台湾は国際免許証が通用しない。日本免許証の台湾語翻訳書が台湾の運転免許書になるので、JAFで申請し取得する。約4,000円。
1か月有効でデータ無制限、台湾電話番号通話付を予約購入する。約5,000円。空港内中華電信ショップで現金払い。旅行中ナビはスマホのSIMカード通信でGoogle mapを利用。
台南出発となったので台北から台南まで移動する。片道約5.000円カード支払い。駅の窓口で切符をもらう。
4)台湾ホテルはBooking.comで予約
現金払いのホテルを選んで予約。台北は往き返りとも台北駅近くの同じホテルを取った。旅行中の宿は前日に予約して移動。宿を品定めするのに結構時間を費やす。1泊1,000元までの予算で予約。
https://www.booking.com/hotel/tw/light-shadow.ja.html
嘉義市布袋魚市場近くのホスピタリティが素晴らしい光影民宿
7.台湾到着後にすること
1)空港内のコンビニで悠々カードを購入しチャージする。市内移動のMRT地下鉄で利用。
2)空港内銀行で両替できる。SMBC信託銀行キャッシュカードでのキャッシングは市内のセブンイレブンの銀行ATMで可能。
台湾でのレンタルバイクには、交通違反問題があるので日本から直接交渉するのが難しい。台湾情報収集中に氏の著書『台湾環島 南風のスケッチ』を読んだ。氏にSNSでコンタクトしレンタルバイクの仲介を依頼し快諾を得て、氏在住の台南スタートとなった。氏は翻訳家かつガイドも兼ねている。さらにそば職人であり沖縄三線奏者という多彩な顔を持つ。
「13年間に35か国を旅した日本人不老騎士、コロナ後初の旅は台湾環島(一周)」
『自由時報』2023年3月19日 劉婉君執筆
今年で74歳になる日本人「不老騎士」若田珠昭さん。59歳の時に大型バイクの免許を取得し、過去13年間に35か国を訪れ、バイクで旅しながら各国の風土を見聞してきた。今年初め台湾在住日本人・大洞敦史さんの著作『台湾環島 南風のスケッチ』を読んで台湾一周の旅を計画。14日間の旅程を経て、本日(19日)ゴールの台南市に無事到着した。
旅を愛する若田さん。「若い頃は仕事に打ち込んでいて、やりたい事がなかなかできずにいた。リアイア後にバイクの免許を取ったのは、機動性が高く便利な乗り物だと思ったから」。これまでにアメリカ大陸、ヨーロッパ、中央アジアなどの国を走り、台湾は36か国目にあたる。コロナ以後初めて訪れた国でもある。
大洞さんにはフェイスブックを通じて連絡を取り、レンタルバイクや民宿の手配をしてもらった。2週間前に台南から出発し、主に台湾各地の漁港、魚市場、伝統的な市場を見て回り、花蓮のタロコ渓谷、宜蘭の礁渓温泉、嘉義の故宮南院なども訪ねた。日本では見られない魚がたくさん見られたことに、特に興味を引かれた。
「最後まで順調に旅する事ができました。台湾はバイクの旅にぴったりだと思います。日本から近く、治安もよく、漢字を使ってコミュニケーションも取れます。西洋に比べれば物価も安く、人々も親切で暖かい。ただ日本とは意味の異なる漢字もあるので、そこは注意が必要ですが。また、私はゆっくり走行する方なのですが、猛スピードですぐ横を追い抜いていく若いライダーもいたりするので、左右に移動する際は気をつけていました。この点を除けば、台湾の交通にはもうだいぶ慣れました」
各国をバイクで旅する間に多くの友人ができた。今回も同様だ。「将来、また台湾を一周するつもりです」。次回は自ら魚を調理し、民宿の人たちに振る舞ったりしてみたいと言う。「コロナが落ち着いて、バイクで海外を旅する日本人も増えてきています。今回の旅の経験をブログで発信し、同好の士たちの参考に供したいと思っています」
「私はこれまで、世界各地を旅する間、何か困った事が起きるたびに地元の方々が手を貸してくれて、とても暖かい気持ちになりました。それで私も、日本に来られた外国の方々が同じような思いを抱いてくれたらいいなと思って、サポートをしたりもしています」
(訳 大洞敦史氏)
9.バイク旅の台湾語
1)ガソリン満タン、オクタン価95です。
→加満、九十五(発音:ジャーマン、ジョウー)
2)エンジンオイル交換して。
→換機油(発音:ホワンジーヨウ)
3)台湾一周中です。
→現在、我騎摩托車環島(発音:シェンザイ、ウオーチーモウトウチョーファンダオ)
4)おはようございます。
早安(発音:ゾーアン)
5)すみません。
→不好意志(発音:プーハオイースー)
6)お店で食べます、お持ち帰りです。
→内用(発音;ネイヨウ)、外帯(ワイタイ)または、
→現吃(発音:シェンチー)、帯走(タイゾー)
以上中国語ピンイン省略無視。日本語より大げさに抑揚付けて発声するのがコツ。
以上