2017年8月11日金曜日

RX3 ユーザーマニュアル(User Manual of RX3)





1.性能・仕様
・型式 ZS250GY-3
・排気量 250cc 
メーカー ZONGSHEN社(中国重慶)
・仕様
 Engine                             NC250 
 Engine type                                      Single cylinder, 4 strokes,
                                                               4 valves, water cooling 
 Displacement (ml)                    249.6 
 Bore×Stroke (mm)                               77×53.6
 Compression Ratio                      (11.1~12):1
 Ignition                              CDI
 Starter                                 Electric
  Wheel Base                                          1400 mm
  Max Power/rev Kw (r/min)                    18.5/9000
  Max Torque/rev N・m (r/min)                   22/7000
  Brake                                                 Front/Rear: Disc/Disc
  Clutch Type                                       Manual Wet Multi-Plate
  L×W×H (mm)                                     2130×868×1260
 Min.Ground Clearance (mm)                  210
 Seat height (mm)                                     795
 Transmission                                          6 speed
 Net Weight (kg)                                      163
 Fuel Tank Capacity(L)                              16 
 Fuel Economical Consumption (L/100km)    below 3.5
 Tires                                           Tubeless
 Top Box and Pannier Cases Capacity (L)      40L+29L×2=98L

・装備品
   ロングクリアウインドシールド
 デジタル計器、アナログタコメータ
 12Vシガーライターコネクター(防水)
 USBコネクター(防水)
 LED ヘッドライト
 LEDウインカーライト
 LEDブレーキライト
 フロント倒立サスペンションカバーフェンダー
 リアインナーフェンダー
 大型マフラーカバー
 クラッシュバー
 エンジンアンダーガード
 トップケースキャリア
 パニアケースキャリア左右
 アルミニウム トップケース(防水)40L (ヘルメットが入ります)
 アルミニウム パニアケース左右(防水)29L×2
 車載ツールキット(リアシート裏に装備) 


2.付属品
書類およびオーナーズマニュアル類(英文電子データ)1式
RX3ユーザーマニュアル(日本語)
エンジンスペアキー
トップボックスおよびパニアケーススペアキー

3.付属部品(別売)
エアフィルター1式(予備用)
オイルフィルター1式5個(予備用)
オイルストレーナー1式2個(予備用)




<取扱説明書>


1.始動
 イグニッションキーをONにするとデジタル計器パネルのコンピュータが自己診断を開始するので正常表示されるまで約5秒間待機する。自己診断中にエンジンを始動してはいけない。エンジンキルスイッチを、写真のように下側に押込まれてRUN位置であることを確認する。スタートスイッチを押しエンジンを始動させる。アイドリングエンジン回転数は2000rpmである。始動時にアクセルを開にする必要は無い。中間のスイッチは、アクセサリーキルスイッチである。通常は左の位置に倒す。この位置でヘッドランプ常時点灯となる。海外では昼間常時点灯でない国もあるためアクセサリーキルスイッチが付いている。中間位置で駐車灯点灯、右位置で照明消灯となる。日本では不要なのでテープを貼ってブロックしておけばよい。
                     
イグニッションキーをON

 
上からキルスイッチ、アクセサリーキルスイッチ、スタートスイッチ


2.ディジタル計器パネル
1)時刻合わせ
 ディジタル計器左側上部のボタンを2秒間押すと、時間表示が点滅する。点滅している間に下側のボタンを押すごとに時が進む。押し続ければ時が早送りされる。時間設定の後、再度上側ボタンを押すと分表示が点滅する。点滅している間に下側のボタンを押すごとに分が進む。押し続ければ分が早送りされる。設定時刻で手を離せば数秒後に時刻が確定される。24時間表示である。

2)距離合わせ
 ディジタル計器左側下部のボタンを押すことにより、ODOメータ表示とTRIPメータ表示を切換えることができる。ODOメータ表示とTRIPメータ表示はそれぞれ、下部のボタンを2秒間押すことによりリセットされゼロ表示になる。

3)ガソリンが空に近づいてくるとガソリン警告表示灯が黄色く点滅する。残走行距離は約50kmであるので速やかに給油をすること。
 
上は時刻合わせボタン、下はオドメータとトリップメータボタン

3.使用ガソリンと燃料タンク
 レギュラーガソリン(オクタン価93以上)を使用。燃料タンク容量は16Lである。

4.エンジン冷却水
 ラジエータは左右にそれぞれ分かれてあるが、結合されているので右側のマスタータンクにクーラント液を満たす。全交換量は1,700ml。クーラント液はクーラントタンクの下限マークとトップマークの範囲内にあること。ディジタル計器ディスプレーの右部にある冷却水温計バーは、最大マークより下であればどの位置でも正常である。
 
クーラント液マスタータンク

エンジン冷却水温計バー、2個を表示

5.チェーンテンション
 サイドスタンドでモーターサイクルを静止させ、無乗車の状態で20~25
mmが適正である。
20~25mmに調整 

 
6.アラインメント調整
 アラインメント調整は、後輪スイングアームの中間にあるプラスティック製のPivot Point Coverを外して、ボルトのセンターからチェーン調整テンショナー用ボルト間の距離が左右同一になるよう調整する。





7.タイヤ空気圧
 前輪225kPa、後輪250kPaが適正タイヤ圧である。二人乗り時は後輪285kPaにする。

8.エンジンオイル
  5W-40または10W-40を推奨。全オイル交換量は1,600ml。エンジンオイル量は、モーターサイクルをセンタースタンドで保持、または水平に静止した状態でエンジン右部にあるオイル点検窓の下限マークと上限マークの範囲に収まっていること。エンジンオイル交換時期は初回300km、2回目1,500km、3回目以降は3,000kmの頻度で交換することを推奨。

左がオイルフィルター、右がオイルストレーナ(右が進行方向)


左オイルフィルターカバー、右オイルストレーナカバー


9.エンジンオイル交換手順
 NC-250エンジンは、再利用可能なオイルストレーナ2個とオイルフィルター1個を装備している。エンジン右部にオイルストレーナ1個とオイルフィルター1個、左側にオイルストレーナ1個がある。そして、エンジン右側にオイル注入口が二つある。一つはコイン溝があるプラグでもう一つは手で捩じれるオイルプラグ。エンジンオイルドレインプラグはエンジン下部にありエンジンアンダーガードを外すことなくアクセス可能。
1)モーターサイクルを暖気した後、サイドスタンドで静止させる。
2)オイル注入口を二つとも外す。
3)オイルドレインボルトを外し、オイルを抜く。
4)エンジン左右にあるオイルストレーナーを2個取出し、灯油、パーツクリーナ等で洗浄し再利用する。
5)オイルフィルターを取出し、新品と交換する。
6)オイルドレンボルトを締め、エンジンオイルを入れる。モーターサイクルを水平にしてエンジンオイルが覗き窓の下限から上限までの間に来るようにエンジンオイル量を調整する。
7)オイル注入口を二つとも締める。



2個目のオイルストレーナ(左が進行方向)

 
エンジン右部のオイル注入口(コインで開閉)


エンジン右部のオイル注入口(こちらから注入する、手で開閉)



エンジンオイルドレンボルト(磁気加工済)


オイルフィルター
オイルストレーナ、ラジオペンチで引き出す
オイルストレーナ


オイルストレーナ、挿入の向きに注意

左の外周部が薄い方がエンジン内側、外周の厚い方が外側
  
        
エンジン右部のオイル点検窓


10.エアフィルター交換手順
 本モーターサイクルのエアフィルターは湿式である。モーターサイクルの左部のシートキー部でリアシートを外し、メインシートの固定ボルト2個を外してシートを外す。車体左部カバーを外すとエアフィルターカバーが見える。エアフィルターカバーを外し、エアフィルターエレメント部を水平に引き出す。エレメント部のネジを外し三つに分解してエレメントスポンジ部を中性洗剤で洗い清掃する。またはエアフィルタクリーナで清掃する。よく乾燥した後エアフィルターオイルやエンジンオイルを上面に少量吹き付け再利用する。   
エアフィルターカバー部


エアフィルターカバー

エアフィルター・エレメント



K&Nエアフィルタークリーナーとオイル例


11.アクセサリー用電源

本モーターサイクルの使用電力は通常160Wである。RX3はアドベンチャーバイクらしく後付けのアクセサリーパーツ電源を考慮して300Wの大容量発電機を有している。従って、140Wがアクセサリー電源として使用可能である。


12.バッテリー
 バッテリーは、車体右部メインシートの下に位置する。シートを外すことなく車体右サイドボディパネルを取り外すとアクセスできる。定格は12V11AH(10HR)である。互換品としてユアサのYTZ12S等が相当。
バッテリー


13.電気系統とヒューズ
 電気系統はシート下に集中して配置されている。リアシート、メインシートを外してアクセスする。
シート下に電気系統

 リアシートの右側前部にメインパワーヒューズボックスMain Power Fuseがある。2個の20Aヒューズがあり、1個は予備である。バッテリーと全電気系統間のヒューズである。
 また、リアシートの左側後部にイグニッションおよび燃料ポンプヒューズボックスIgnition & Fuel Pump Fuseがある。2個の15Aヒューズがあり、1個は予備である。
 エンジンがかからないときは、まず右ハンドル部のエンジンキルスイッチがRUNであることを確認、次に燃料ポンプの動作音を確認する。動作音が聞こえない場合、このヒューズを点検すること。

メインパワーヒューズ 20A(1個は予備)


イグニッション及び燃料ポンプヒューズ 15A(1個は予備)


14.トルク仕様と工具

項目
BoltおよびNut仕様
トルク値(N・m)
アクセス工具
Front wheel axle nut
M14×1.25
70-80
19㎜ソケット
Rear wheel axle nut
M14×1.25
70-80
19㎜ソケット
Chain wheel fixing nut
M8
19
13mmソケット
Rear rocker shaft nut
M12×1.25
50-60
17mmソケット
Engine oil drain plug
M14×1.5
21
17mmソケット
Oil strainer cap bolt
M14
21
17mmソケット
Oil filter nut×2
M5
6
 8㎜ソケット



15.メンテナンス・スケジュール(短期)

No 
項目
品名
部品番号 
数量
保守時期* (km)
処置*
1
エアフィルター
Air cleaner
Air filter element bracket
16121-M954-0000
1
3,000
清掃/交換 10,000km
湿式エアフィルターの手順で清掃・注油する。
Core, air cleaner
16101-M954-0000
1
Filtering net, air cleaner
16114-M954-0000
1
2

オイルフィルター
Engine Oil

Oil filter
14210-MZ30-0000
5
1)300                    2)1,500                  3)3,000                   4)3,000                 5)3,000
交換
O-ring 30*2.6
90101-30300000260
5
Washer 14.5*1.5*20   (For drain plug)
93301-81451520000
5
オイルストレーナー
Engine Oil
Strainer oil filter
1431B-ME30-0000
2
3,000
清掃/交換 10,000km 
O-ring 17.5*1.8
90101-30175000180
2
上記は、付属部品としてモーターサイクル納入時に同梱(別売)される。


16.メンテナンス・スケジュール(中・長期)


No 
項目
品名
部品番号 
数量
保守時期* (km)
処置*
4
前ブレーキパッドFront Disk Brake
Right friction plate assembly, front disk brake
53013-M954-0100
1
溝が無くなるか、パッド厚み1.5mm
When groove in the plate is no longer visible or 1.5mm left
交換

Left friction plate assembly, front disk brake
53013-M954-0000
1
5
後ブレーキパッドRear Disk Brake
Right friction plate assembly, rear disk brake
53106-M954-C100
1
Left friction plate assembly, rear disk brake
53106-M954-C000
1
6
スパークプラグSpark Plug
互換品: NGK CR7E, Champion RG96C
81300-MH06-0000  (DENSO U22ESR-N)
1
10,000
清掃/交換 20,000km 
7
ブレーキフルード
Break fluid
DOT4
1
10,000
点検/交換20,000km時または2年
8
チェーン
互換品:
EK520SRX2  110 または、PBチェーン 2型 520-110

10,000
点検/交換20,000km
    9
前タイヤFront tire
100/90-18 56S
C-6017-1
        1
CST(チェンシン)
Tubeless
後タイヤRear tire
130/90-15 66S
C-6017-1
      1
                           以 上 
 *販売及びアフターサービスは以下(愛媛県松山市)に問合せください。                      
Beans Company (ビーンズ・カンパニー)090-8280-0391 

*本ユーザーマニュアルの内容は、Zongshen社およびCSC社マニュアルを基に
Bigboy Motorcycleが独自に要約・編集したものである。
                                                                      2017.08.11 改訂




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